世界中の広い海を泳ぎまわるクジラたち。泳いでいる地球の海はみんなつながっていて、南の果てには冷たい南極の海が広がっています。そこには小さなエサがたくさんあるので、世界中からクジラたちが集まってきます。
ある時、南極から遠く離れた暖かい海の中で、あかちゃんクジラが生まれました。名前はキイちゃん。キイちゃんの体は黄色くて、言葉もまだ上手に話せません。かあさんクジラは、大きなヒレで優しくなぜながら、大事に育てました。やがて親子は、南極を目指して旅へ出ます。
ところが、南極で待っていたのは、体の黄色いキイちゃんの悪口やからかいの言葉。かあさんクジラがキイちゃんをかばっていると、突然恐ろしい音が近づいてきたのです……。
かこさとしさんが贈る「こころの本」。心身にハンデを持つ子への想いが込めれたこの絵本は、1985年『かわいいきいろのクジラちゃん』(ポプラ社)を再編集し、新装復刊されたものです。ハンデを抱えたお友だちを理解し、受け入れ、お互いに学びながら成長していけるように。そして、どんな人にも優しい社会になるように。明るくたくましく生きていこうと決意するキイちゃんの姿に、そんな願いが込められているようです。子どもたちにとって、心に残る一冊となりますように。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
かこさとしが贈る「こころの本」。 心身にハンデを持つ子への想いが込められた絵本です!!
本書は1985年に、かこ先生が全国心身障害児福祉財団からの依頼で描かれたもの。 先生は当時、心身にハンデをもつ子に対するおもいやりのない行いや、無関心の横行に心を痛めていたといいます。
子どもたちが、ハンデを抱えたお友だちを理解し、受け入れ、お互いに学びながら成長していけるように。そしてどんな人にも優しい社会になるように。そんな先生の強い想いが託された作品です。
子どもたちが大人になったとき、きっと心に残っている一冊になることでしょう。
※本書は、1985年・ポプラ刊『かわいいきいろのクジラちゃん』を再編集し、新装復刊するものです。
**2歳4か月**
悲しいお話なのですが、子供が好きでよく読んでと言われます。
悲しいシーンということがどこまでわかっているのかはよくわかりません。
クジラのおかあさんの「キイちゃんはブタちゃんじゃないからないたりしてはおかしいわね」という返しがとてもいいので、私もいつか子供から何か言われたときにいい言葉を返せる親になりたいです。 (もちくらげさん 30代・ママ 男の子2歳)
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