どうしてもサンタクロースに会いたくて、雪ダルマは旅に出ました。 でも、たいへんな苦労が……。
雪ダルマは、野をわたり、山をこえ、川の流れをたどりました。あるき、つまずき、すべり……。やれやれ、すっかり道に迷って。 カラスに、オオジカに、キツネに、ウサギに、オオカミに、クマに、道をききながら歩みます。でも、そのたびに持っているものをせがまれて、雪ダルマは鼻のニンジンまでさしだしてしまいました。 それでも、ついにたどりつき、手ぶらの雪ダルマは、サンタクロースにあやまります。すると、サンタはこう言います、「ぼくは贈り物をするけれど、お返しになにかほしいわけじゃないんだよ」。
人と手をたずさえることの厳しさと、難しさ、そして喜びを伝える、フランスの絵本作家ティエリー・デデューの世界。『雪ダルマはいきている』(ぷねうま舎、2021年1月刊)、『オオカミのクリスマス』(ぷねうま舎、2021 年11月同時刊行)に続く、クリスマス絵本第3弾。
雪ダルマはどうしてサンタクロースに会いに行ったのでしょう。
しかもプレゼントを持って。
この疑問が次第に膨らんできました。
雪ダルマはサンタクロースに会うために、次々と自分の大切な持ち物を失っていきます。
しかも、命の危険まで冒す窮地にも立たされます。
やっとサンタクロースにあえたとき、雪ダルマはすっかり様変わりしていました。
それでも、プレゼントをもらって、精一杯の笑顔で応える雪ダルマに、感じたのは痛々しさでした。
崇拝にも近い雪ダルマの思いを、素直には受けとめることができませんでした。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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