「こんにちは」 「あの……、こんにちは!」
思いきって声をかけたのに、隣に引っ越してきた男の子は知らんぷり。もっと大きな声で言いかけると、男の子が気がついた。でも、なんだか変なしぐさをしている。からかってるの? 「わたし」が意地悪な顔をすると、あわてて家の中に入っていっちゃった。へんな子!
ところが、両親と一緒にあいさつにきた男の子に向かって、わたしのおかあさんが同じしぐさをすると、うれしそうな顔をしている。男の子しゅんいちくんは耳が聞こえない。そして、しゅんいちくんがしていたのは「こんにちは」の手話だったのです。わたしもおかあさんにある言葉を教えてもらい……。
この絵本で描かれているのは、ふたりの子どもたちが「ともだち」になる瞬間。それは相手のことに興味をもつことであり、理解しようとすることもでもあります。一つずつ手話を覚えて伝えようとする「わたし」、それに答えるしゅんいちくん、そのやり取りを見守る大人たち。気がつけば、みんながおひさまの様な笑顔になっています。
巻末には、簡単な一言手話がわかりやすく掲載されています。お話を読んで関心を持った子が、すぐに覚えられようになっているのも嬉しいですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
心のバリアを取り除けば、みんな友だち
お隣に男の子が引っ越してきた。 女の子は、友だちになろうと、ごあいさつ。 でも、いくらあいさつしても、男の子は知らんぷり。やっと気がついたと思ったら変なしぐさをしている。 「ヘンな子!」。 そのときに男の子がしていた妙なしぐさとは……。
耳が聞こえない男の子がしていたのは、「こんにちは」の手話でした。
【編集担当からのおすすめ情報】 お互いのことがわかって理解し合えると嬉しいですね。“わかり合いたい”ということの大切さを伝えています。 巻末には、簡単な一言手話が掲載されています。
耳の聞こえない子が引っ越してきたら、耳が聞こえないことを知らなかったら、初めて会ったときに、きっと戸惑ってしまいますよね。
みずきちゃんとしゅんいちくんの出会いは、困ったことになってしまいました。
でも、手話を通して友だちになることができました。
聴覚障害を理解する絵本です。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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