「ポツリ」遊びに行こうとレミがドアをあけると、ほおに雨のしずくが。でもレミはかさをささずに家を飛び出します。とおりに出ると急に強くなる雨。「あめなんて、だいっきらい!」そう叫んだその時、「あめ、おきらいですか?」とかさやさんの奥から声が聞こえてきます。
お店にはレースやみずたま、花柄やストライプ、色とりどりの傘が並んでいました。「いらっしゃいませ」と声をかけたのは、1匹のくろねこ。 「こちらの新作はいかがですか?きっと雨が好きになりますよ」 言われるがままにレミが鮮やかな緑色の傘を開くと、あたりは緑のしずくが飛び散る深い森に変わります。「おつぎはこちら」黄色い傘を開くと、そこには砂漠の宮殿が。赤い傘をさすとお花畑、ブルーの傘をさすと石造りのお城……。つぎつぎにねこの差し出す傘を広げると、あたり一面が傘の色に変わり、美しい雨模様が映し出されるのです!
作者のたなか鮎子さんは、パリ在住の作家さん。銅版画による神秘的な絵づくりに定評があり、『クリスマスマーケットのふしぎなよる』(講談社)『ルナのたまごさがし』(フレーベル館)などの作品があります。
傘の色ともようが景色と繋がる、夢のようなおはなし。傘をパッとひらく瞬間のあのワクワク感をたくさん味わえる作品です。雨が好きになること間違いなしの1冊。ぜひ手にとって、雨の美しさを堪能してください。
(出合聡美 絵本ナビライター)
雨の日、家をとびだしたレミがはいったかさやさんには、ふしぎなかさがいっぱい。あるかさを開いたとたん、大変なことがおきて…… つまんない!と思っていた雨の日におきた、ふしぎな冒険。さまざまな雨の情景をうつしこんだかさと、なぞの猫の秘密。さて、かさやさんといっしょにレミは青空をとりもどせるのでしょうか。 パリ在住の著者が描く、ふしぎでうつくしいファンタジー。
図書館や本屋さんに行くと、いつも絵本の多さに圧倒されます。
昔と違って、挿絵がキレイな絵本も本当にたくさんあります。
こちらの絵本も挿絵がキレイで、とても魅力的でした。
雨には色はありませんが、雨粒の美しさも表現されていてステキな絵本です。
カラフルな雨傘に、キリリとしまって見える黒猫も登場して、色の美しさに魅せられるお話でした。
雨の季節にピッタリな絵本です! (ちびっこおばちゃまさん 40代・その他の方 男の子4歳)
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