子うさぎのチムの成長を温かくとらえた珠玉の童話を、名訳と流麗なさし絵でおくる。
チムは好奇心旺盛なうさぎの男の子、人間で言ったら4歳から6歳くらいをイメージして書かれていたのではないでしょうか?
読んでいくと、(もちろん原文も素敵なのでしょうが)石井桃子さんの優しい文体が心に心地よく響いてきます。
中川宗弥さんのチムの絵も素敵です。
特にプクッとした野うさぎらしい茶色の毛を見つけた“はさみ”で刈り取ってしまい、因幡の白うさぎみたいになってしまった時の絵柄の差も可愛いし、
「チム・ラビットとかかし」で、貧相なかかしからチムの努力とセンスでふくよかで実にオシャレなかかしに変身した姿は、思わず何度もページをめくって見比べてしまいました。
この本は9編の短いお話からなっています。それぞれ、うさぎの子・チムが体験したことや見つけた不思議なもの(こと)を子どもらしい目線で表現してくれています。
これは一人読みをするのであれば、小学校の低学年くらいからお薦めしたいのですが、
個人的には、もう少し低い年齢のお子さんたちからお薦めしたいです。内容的には十分楽しいものなので、小さなお子さんたちには、お父さんお母さんなどの大人が声に出して読んであげたらいいなと思います。
できたら好奇心旺盛で、いろいろなものを外から吸収し始める4,5歳くらいから小学校低学年のお子さんたちにどうぞ。
特に「はさみ」と「かかし」と「なぞなぞかけた」はすごくいいです! (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子11歳)
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