もともとその場所に暮らしていたニワトリと、よそからやってそこへきたカピバラ。 違う種類の動物どうし、一緒に暮していけるの?
移民と移民を受け入れる側の話などにも解釈できる、他者との共生を描いたお話。 スペインの出版社から刊行されたウルグアイの作家の絵本。世界14か国以上で翻訳出版。
なかなかに考えさせられる絵本です。
食べ物はたっぷりあって、のんびりと同じ毎日を送っているニワトリさんたちですが、たまごとともに食用にと連れ去られるニワトリがいることを本筋の前に見てしまいました。
ニワトリだって、安全が確約されているわけではないのです。
そこにカピバラの集団が、狩猟をのがれて逃げ込んで来ました。
あの生き物が食用として狩猟されていたことを初めて知りました。
いわば難民にも思えるカピバラたちに対する、ニワトリたちの対応を面白く感じました。
野生でもあり、危険な存在としての意識が次第に変わっていきます。
ニワトリとカピバラの信頼関係が生まれ、カピバラが去っていく時、ニワトリたちはカピバラたちとともに羊の国(?)を目指します。
自分たちの日常の虚構を感じていたのでしょうか。
ニワトリたちの反乱でしょうか。
どこか不安定な世界情勢を感じさせる絵本でした。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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