前作「しってるよ」で、がんばっていた子ぶたのお兄ちゃん。 「いまがいい」では、そのお兄ちゃんのそばにいた妹の赤ちゃんが少し大きくなって、今度は主人公に! もちろん、お兄ちゃんも少し大きくなっています。
子ぶたの女の子は、好奇心が旺盛で何でもやってみたいお年頃。 お母さんが朝ごはんの用意をしているのを見て、「おてつだいしたい。タマゴわってみたい」と言います。 でも、残念ながら目玉焼きはできちゃったところでした。 「こんどね」というお母さんに、「いまがいい。いまやりたい」という女の子。
朝ごはんを食べ終わった女の子はお父さんとお兄ちゃんと一緒に公園に行きますが、そこでもやりたいことができません。 「もうすこし おおきくなったら」「おとなに なったら」 そんな言葉を言われ続けて、とうとう女の子の気持ちは爆発してしまいます。
いまなの! いまがいい!
この親子のやり取り、身に覚えがあるお父さん、お母さんも多いのではないでしょうか。私は、覚えがあります。 子どもにとって、やりたいことと同じくらい、「今」というタイミングも大事。そんな真剣な思いを、適当にあしらっていたかもしれないと反省……。絵本を通して第三者の視点で見ることで、当事者だと気づきにくかったことに気づけたのかなと思います。
優しいタッチのぶたさん家族にほんわかしながら、楽しく読んでくださいね。
(近野明日花 絵本ナビライター)
卵を割りたいという主人公に「今度ね」というお母さん、自転車に乗りたいという主人公に「大きくなったらね」というお父さん。「今やりたいこと」に対してつい後回しにする返答が重なり、とうとう主人公が怒りを爆発させてしまう。小さな子にはできないことがまだまだ多いなか、どうやって「今やりたい!」をかなえようか?お父さんの機転が光るラストになっています。
親子のあるあるを描いた『しってるよ』が印象的だったので、
こちらも、あ、続編だ、とピン!ときました。
前回はお兄ちゃん編でしたが、今回は下の子妹編です。
主人公は何でもしてみたい年頃。
でも、お母さんもお父さんも、「こんど」「あとで」「おおきくなったら」「おとなになったら」と
後回しに。
もちろん、大人にも言い分はあるのですが、
やっぱり「いま」やりたい主人公。
ここで、お父さんが機転を利かせるのが素敵です。
ほうら、なかなかいい塩梅の展開に。
後ろの見返しには、サブストーリー。
ちゃんと寄り添っているお父さん、お母さんの姿にほっこりです。 (レイラさん 50代・ママ 男の子29歳、男の子27歳)
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