「じりりーん じりりーん なっているのは なあに じりりーん じりりーん まだ なっています」
なっているのは、ちょっと懐かしい、ダイヤルを回す黒い電話。 ねむいモモちゃんは目をこすりながら電話にでます。 「もしもし モモちゃんです」 かけてきたのは誰だと思いますか?
「もしもし わたしは きらきら ひかって まぶしいものよ」
いわさきちひろさんの水彩画が美しい1970年発売のロングセラー。 赤いおひさまや黄色いちょうちょが、まぶしいほどみずみずしく、色あざやか。 幼い記憶の中で「こちら のはらのタンポポでんわきょく おつなぎしまーす」というところも大好きでした。 「もしもし」から「おはよう」そして「おさんぽ」へ。 外の世界への誘いが展開するすてきなあかちゃん絵本。 朝のひかりの中で、一日のはじまりに読んであげたい絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
じりりーん、じりりーん、でんわがなります。もしもし、モモちゃんです。まだ、ねむたいの。
いわさきちひろさんの絵は、細部まで緻密に描かれている訳ではないのに、なぜこんなに表情が豊かなのでしょうか。ページに大胆に残された余白も、想像を掻き立て、言葉の余韻を伝えるようです。
赤ちゃんって、電話が大好きですよね。「じりりーん じりりーん」の繰り返しも、とっても楽しそうでした。
赤ちゃんと一緒にいる時間はこんな柔らかく、優しい言葉と絵に包まれて、過ごしたい…と思わせてくれます。忙しい毎日に、育児を楽しむ余裕を忘れてしまうときもありますが、この本は、赤ちゃんの目線を代弁してくれているようでもあり、赤ちゃんと過ごす時間は本来はとっても甘い幸せな日々だと言うことを思い出させてくれます。 (JOYさん 30代・ママ 女の子8歳、女の子6歳、男の子3歳)
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