色とりどりのお花が咲き、若葉がまぶしい季節。いいお天気です。 窓を開けて、思いっきり深呼吸をしたとたん……くしゃん くしゃん くしゃん くしゃん! この季節になると、くしゃみが止まらない病気にかかってしまうアラさん。お洗濯、お掃除、やらなくちゃいけないのに、なーんにもしたくなーい! この鼻、どこかへ捨てちゃおうかしら! そこへ家のドアを叩く音が。立っていたのは、まるまる太ったブタさんです。 「あなた、鼻いらないんですか? なら、わたしの鼻ととりかえっこ しません?」
鼻がムズムズ、イライラのつらーい季節。年々、子どもの花粉症も増えているのだとか。いっそ鼻を取ってしまいたい! アラさんの気持ち、わかるわかると大きくうなずく子も多いことでしょう。だけど取って変わるのはブタさんの鼻……なかなか究極の選択ですね。 季節の厄介なお悩みも、角野栄子さんの手にかかればユーモアたっぷりのおはなしに。リズミカルな言葉回し、テンポの良い展開にのってスイスイ楽しく読み進んでしまいます。さとうあやさんが描くアラさんやブタさんもおはなしにぴったり! 全ページにカラーの挿絵が入っていて、小さなお子さんのひとり読みにもおすすめです。
さてさてアラさんとブタさん、いとも簡単に鼻とりかえっこができちゃった!? そしてブタさんの鼻、見た目はともかく、なかなか便利そうなのですが……。 スッキリしない花粉症の季節や、ちょっと元気が足りない時にも。気分をスカッとさせてくれる奇想天外で愉快なこの一冊をどうぞ!
(竹原雅子 絵本ナビライター)
お花がさき、木の葉がひかる、うつくしい季節……アラさんの鼻はたいへんです。くしゃんくしゃんくしゃん! くしゃみがもう3日間も止まりません。「おう、いやいや。この鼻、どこかに捨てちゃおうかしら」。そこへトントン。ブタさんがやってきました。「ききましたよ、ききましたよ。あなた、鼻いらないんですか? なら、わたしの鼻と、とりかえっこしません?」
ゆかいなお話とリズミカルな言葉で、どんどん読める! 文字を自分で読みはじめる1年生にぴったりです。 全ページにオールカラーのイラストつき。
作者は「アッチ・ソッチ・コッチの小さなおばけ」シリーズや『魔女の宅急便』などのロングセラーを数多く手がけ、日本を代表する児童文学作家・角野栄子。
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