お休みの度にママと来る森の中の家。毎日書きものをしているママの横で、ぼくは何時間でもゲームをする。
「いいかげん、ゲームはやめたらどう? 今日も一日中、何にもしないつもり?」
いつもの通りママが怒り、ゲームを取りあげる。そしてぼくは、いつもの通りゲームを取りかえし、外へ出る。雨の庭では、世界中のタイクツがぼくを待ち構えている。おまけにゲームをなくしてしまった! ゲームなしで、ぼくはどうすればいい? するとその時、ぼくの前を通りすぎていったのは、大きなカタツムリたちの行列。そっちには一体なにがあるのだろう。山道を歩いていってみると……。
世界が注目するイタリア生まれの絵本作家ベアトリーチェ・アレマーニャの代表作である本書は、世界10か国以上に翻訳され、ニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞を受賞。タイクツを持て余していた少年が、自然の不思議に出会って心が躍動していく様子を、美しく印象的に描き出します。
地面がきらきらと輝きだし、太陽の光はシャワーのように降りそそぎ、自分の心臓の音に驚いて、転がって見上げた世界が全て新しいものに見える。こんなに楽しいことを、どうして今までしてこなかったんだろう。
本当にそう。くるくると変化する少年の表情、目が離せなくなるほど魅力的な森の景色の数々、そして訪れるママとぼくの何にもしない静かで幸せな時間。それらを味わいながら、心から共感してしまうのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
そとは雨だし、森しかない。こんなタイクツな場所、ゲームがなきゃやってられない。 それなのに、大切なゲーム機をなくしちゃった!予期せずはじまった、森での冒険。 だけどそれは… まほうのような さいこうの1日の はじまりだった。 こんなにたのしいことを、どうしていままでしてこなかったんだろう! ゲームがないとタイクツ!…ってほんと?デジタル時代の子どもたちに贈る”タイクツのすすめ”。
世界が注目するイタリア生まれの絵本作家ベアトリーチェ・アレマーニャは、自然の不思議に出会って躍動していく少年の心を、美しい森の景色と重ね合わせながら、力強く描き出しています。ニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞受賞作品。
素敵な絵の世界に引き込まれてしまいました。
普段依存しているようなゲーム機を失ったら、日ごろ目に入らなかった様々なものが目に飛びこんで来たというお話です。
当たり前の生活のそばに、様々な発見の世界があるということを改めて教えられました。
それがみずみずしく描かれています。
主人公は少年であるけれど、大人こそ必要な空間かも知れません。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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