氷の上に住んでいたシロクマたち。ひどくなる暑さに耐えられず「どんなねがいもかなえてくれるどうぶつ」がいるという工場を訪ねます。
「なつでも ふゆのように さむくしてください」
そのどうぶつが差し出した道具をつかってみると、冷たい風が出て、たちまちあたりは冬のようになりました。
シロクマたちは、他の願い事も思いつきます。「長い道を歩くのが面倒」「大好きなアイスがとけないようにして」。シロクマたちの願い事はどんどん叶いました。しかし、願い事が叶うたび、工場の煙突からピンク色のけむりがもくもくと出て……。
『おうさまがかえってくる100びょうまえ!』(えほんの杜)『おうさまのまえでみぎむけーみぎ!』(KADOKAWA)など、ユニークな作品で子どもから大人まで多くのファンを虜にした柏原佳世子さんが、わがままだけれど憎めないシロクマたちをおしゃれに、そしてユーモラスに描きます。
工場のけむりの色と日焼けで、すっかりピンクになってしまったシロクマたち。これではシロクマじゃなくてピンクマです。我に返ったシロクマたちは、どう行動すれば、ねがいをかなえるどうぶつと一緒に考えていきます。地球温暖化がテーマのおはなし。ぜひシロクマたちと一緒に、今地球で起きていることを自分ごととして考えるきっかけにしてください。
(出合聡美 絵本ナビライター)
『おうさまがかえってくる100びょうまえ!』、『おうさまのまえでみぎむけーみぎ!』の柏原佳世子氏による絵本です。
だんだん世の中が暑くなることで、それに耐えられなくなってきたシロクマたち。シロクマたちが「どんなねがいもかなえてくれるどうぶつ」に助けを求めてやってくると、いろいろ便利な道具をおすすめされる。しかし道具にたよりすぎたことで、世界は冬になっても暑く、シロクマたちの体は工場の煙と日焼けでピンクになっていく……。
わがままだけどにくめないユーモラスなシロクマと、クラシカルで美しい作画は、小学校低学年から大人まで楽しめます。 読書感想文にもぴったり。「環境問題」を考える第一歩としておすすめの絵本です。
ピンクになったシロクマのはなし、と副題にあります。
真面目に環境問題を考えさせてくれる寓話的ストーリーです。
シロクマたちが向かったのは、どんな願いもかなえる工場ですって。
その工場の動物って…、おやまあ、人間!?
なるほど、なるほど。
エアコン、冷蔵庫などなど、確かに願い通り。
でも、不具合はあるわけで。
その象徴がピンクの煙。
注目は、そこからの解決策。
シロクマも人間も一緒に考えていく過程に拍手です。
すぐには元通りにならないこともちゃんと明記。
巻末には、ピンクの煙が意味するものもきちんと解説してあります。
環境問題をまずは易しくイメージするのに程よい塩梅の作品だと思います。 (レイラさん 50代・ママ 男の子30歳、男の子28歳)
|