「どちらまで?」 「じゃ、風町、まで」 その町へ行くのに、特別な切符や旅券はいらない。 ナンバーに7のついた黄色いタクシーで行けるというけれど、 その町がどこにあるか運転手も知らない。 「風町」と呼ばれる架空の町でひっそりと紡がれる、 ちょっと不思議で心地よい日々。 「風町から」「風町まで」の二部構成で三十一の短編を収録。 心がほぐれる束の間のファンタジー。
もくじ
風町から 5
贈り物…6 婚礼…12 かもめ…17 青い空…22 窓ガラス…26 風電話…31 月の光…36 喫茶店…41 音楽会…46 飛行機雲…51 橋の上で…56 聖夜…61 灯台…66 トランプ…71 改札口…76
風町まで 83
日時計のジョー…84 彼女の青空…89 木の家…94 雨が待ってる…99 ゆりかもめ館…105 トマト畑に雨が降る…110 ポケットにピストル…116 アイスクリーム・ブレイク…121 名前の猫…127 地図のない町…134 夕焼け映画館139 星を拾う…145 笛吹きの木…150 風町郵便局…155 風町まで…160
夢の芝生――あとがきにかえて…166
|