焼けるように暑い夏休み。僕の村に、今年もあの子がバカンスでやってきた。でも、なんだかようすがおかしい……いつもみたいに声をかけてくれない。僕のこと、わすれちゃったのかな。そんなとき、近くの丘で山火事がおきる。炎は丘の斜面をおおい、すべてを焼きつくしていく。恐ろしい光景をながめているぼく。気づくと隣であの子が涙をうかべていた…… 燃え上がる初恋と、自然火災の恐ろしさが、赤と黒を基調にしたインパクトあるイラストで詩情豊かに描かれる。近年、気候変動などによって起こりやすくなっている山火事について考え、自然と人間の関係に想いを馳せるきっかけとなる一冊。 【対象年齢:6才?】
細かく描かれた自然の中で、際立つ赤い色が鮮烈に心に残る絵本です。
山火事が、ハワイ・マウイ島の山火事や、最近耳にする大規模な山火事を思い起こさせて、心穏やかではないのですが、この絵本の山火事は一晩で消火して良かったです。
それよりも、この絵本の本題は、山火事で急に縮まった、淡い想いを寄せていた女の子との距離感でしょう。
まさに消えることのない山火事のような思いを、少年の埋み火として残しました。
恋の色は鮮烈な赤ですね。
消えてしまいませんように。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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