「ねぇパパ、どうしてライオンはとこやさんにいかないの?」 「かわいくなったら、だれもこわがらなくなってしまうからさ」 次々と繰り出される娘の質問に、パパは淡々と答えます。 でも、その回答は、どれも笑ってしまうものばかりです。
カンタン・グレバンと言えば、「ウルフさんのやさい畑」「カプチーヌ」等でお気に入りの作家の1人です。
「ねぇ、パパ、どうして カバは でんしゃに のらないの?」
「それはね、みんなに じろじろ みられるのが いやだからさ」
という問いから物語は始まります。
カバが電車の席に座っていて、両側に座る人から迷惑がられている姿が印象的。
気のいいオバサンカバが、すまなそうな表情をしています。
空席があるのに何故?なんてことはこの際関係なし。
有り得ない絵なのですが、思わず笑ってしまいました。
こんなパパと女の子の質問が続くのですが、どれもこれも、ユーモアに満ちたものばかり。
一番気にいったのは、
「どうして オオカミは ヒツジと うまとび しないの?」
「それはね たべもので あそんじゃ いけないからさ」
一寸シュール過ぎる感もありますが、納得できる回答です。
全部が全部、腹を抱えて笑えるものという訳ではありませんが、水準は高いと思います。
子どもよりも、大人の方がこのセンスに惹かれる気がしますが、絵を見るだけでも、かなり楽しめます。
きっと、誰でも気にいる一枚の絵が、あるはずでしょう。
幅広い層に対応する絵本だと思います。
続編の「ねぇママ、どうしてきょうりゅうはがっこうへいかないの?」とあわせてオススメします。
題名の問いの回答は、裏表紙にあるので忘れずに。 (ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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