「どこに いけば ゆきが あるの?」
雪を見たことのないカエルが、ウサギとキツネに問いかけます。ウサギとキツネは冬にならないと雪は降らないのだと言います。一度でいいから雪が見たいというカエルですが、冬は寒くて苦手なのです。
「じゃあ つぎの ふゆまで いっしょに まとうよ」
みんなで待てば大丈夫だと、3びきは毎日一緒に遊ぶようになりました。やがて秋になり嵐がやってくると、怖がるカエルにウサギとキツネはそっと寄りそい、なんとか願いをかなえてあげようとします。ところが、本格的に寒い冬がやってきた頃、とうとうカエルくんは動けなくなってしまい……。
一つ一つ丁寧に描かれた花や木を背景に描かれる、カエルとウサギとキツネの優しい物語。動かなくなってしまったカエルくんを悲しみ、土に埋め、お花をたむけるウサギとキツネ。そんな3びきに、驚きの贈りものを届けたのは春の風。
「ふあーー。よく ねたー!」
カエルくんが本物の雪を見られるまで、いつまでも3びき一緒に仲良く過ごしてね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
【『この本読んで!』の「もう読んだ? 新刊100 ! ! 」に選ばれました!】 『この本読んで!』(2024年夏号)(一般財団法人 出版文化産業振興財団〈JPIC〉)の「もう読んだ? 新刊100 ! ! 」の1冊に選ばれました!
「どこにいけば雪って見られるの?」雪を見たことがないカエルは、一度でいいから雪を見てみたいと願います。それを聞いたキツネとウサギは、カエルの望みをかなえてあげようと寄りそいます。 ところが、やっと雪の降る季節、冬がきたら、カエルは動かなくなってしまいました。 キツネとウサギは悲しみながらも、カエルを土に埋め、お花をたむけます。そうして春がきたらカエルは“冬眠”から目覚めて……。 友だちを思う心あたたまるお話しです。 また、花や木一つ一つを丁寧に描いた美しい絵も、ぜひご覧ください。
|