まぼろしの名作絵本が待望の復刊!
『100万回生きたねこ』で“愛”を描いた佐野洋子のユーモアあふれる“平和”のお話。
むかしむかし あるところに、おうさまが いた。 その おうさまは、ちっとも いばらなかった。
まいにち おきると、おきさきさまに ぺこぺこ、
けらいに ぺこぺこ、
にわの くじゃくにも ぺこぺこ。
ちっともいばらない王さまは、 となりの国がせめてきても、いつものように、ぺこぺこ戦います。
兵隊は、ぺこりぺこりと頭をさげて、ぺこんと地面にはいつくばる。 お城もぺこりとおじぎをするので、敵の大砲もあたらない。
ひとりのけが人も出ないうちに、大砲のたまがなくなってしまいました。
ちっともいばらない王様は、「ごくろうさんでした。おつかれでしたね」といって、 せめこんできたとなりの国の王さまを食事にさそいますーー
おとうさんがこどもに語る、ユーモアあふれる平和な王さまのお話です。
*本書は1993年に文化出版局から発売になった同名の絵本の復刻版です。原画をあらたにスキャンをしなおし、色あざやかな1冊になりました。
ペコペコばかりしている王さまと、ペコペコになったコーラの缶との結びつきは、予想できないものでした。
たいそうなお話なのに、お妃さまの蹴り一つで話にけりをつけてしまいました。
こんなお話にピッタリの絵も素敵です。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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