「いい子にしていなさい」といつも言われているリトル・ビリー。リトル・ビリーは、いい子にしていることに、ウンザリしていた。ママが絶対やってはいけないということ――すぐそこにある「あやまちの森」を探検すること――をやってみたくてしょうがない。よし、かんたんだ。窓を乗りこえて庭に出て森まで走っていけばいい。ところが、シーンと静かだった森に、やがて、何か大きなものが近づいてくるような音がひびきはじめた……あれは森に住んでいると噂されるカイブツにちがいない! 音はどんどん大きくなり、カイブツのはきだす煙がもくもくとあたりをおおいはじめた。必死で逃げるリトル・ビリー。大きな木の枝にとびつき、下を見ずにどんどんのぼっていった。長い木登りのあと、やっとほっとしてあたりを見まわすと、そこにはなんと……!! 小さな森の住人「ミンピン」たちの町があったのだ。ミンピンたちも、カイブツのせいで、地面を安心して歩くことができず、樹上高く暮らしているという。このままでは、リトル・ビリーもうちに帰れない。リトル・ビリーとミンピンは、なんとかあのカイブツをやっつける方法はないかと考えをめぐらせる。――物語の名手、ロアルド・ダールの心おどる冒険物語。ダールの児童書ほぼすべてにイラストを添えてきたクェンティン・ブレイクが今回この作品に初めて絵を描き、ロアルド・ダール コレクションに新たに加えられた。
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