これはあたしが十一の年、アイヴィー家で暮らすことになったときに、あたしの身に起こったできごと。信じたくなければ、信じなくていい。たいていの人は、あたしの話なんか信じない。たいていの場合、それが正解で、なぜって、あたしはしょっちゅう、うそをつくから。でも今回は、ほんとの話。ここに出てくることは全部、書いてあるとおりなの。
11歳のオリヴィアは、5歳のころから里親の家や施設を転々としながら生きてきた。今度つれてこられた家が、16番目。18世紀に建てられたその屋敷には昔、400人もの赤んぼうを殺した老女が住んでいたという。なにごとにも敏感なオリヴィアは、屋敷のそこかしこに不気味な幽霊の気配を感じる。老女の幽霊はほんとうにいるのか、それとも、オリヴィアの辛い記憶がつくりだした幻影なのか……?
怒りと悲しみに満ちた11歳の少女の語りが鋭く胸をさす問題作。
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