西洋史を専攻した著者が、史実をアレンジして著した絵本です。むかし、「カタホウ国」という、高い壁に囲まれた 小さな国がありました。その国には「壁の中に靴を投げ入れた者は、国民になれる」という面白い法律がありました。 行くあてのなくなった人達が懸命に靴を投げ入れているのを見て、犬のペロも「カタホウ国」に住みたいと思うのでした。 靴のないペロは、どうしたでしょうか。
アダム&デヴさんの絵本です。期待して手にとりました。
とても丁寧に書かれた、心温まる物語です。
高い壁の中に片方の靴を投げ入れると国民にしてもらえるというカタホウ国。国王のデイーヨ55世またとても善人。
国民になりたくてたどり着いた人たちをちゃんと助けてくれる。どろぼうも改心させて迎え入れますし、犬のペロにも助け船を出します。
誰でも国民になれてしまうような気もするのですが、カタホウ国は善人の国であり、人を善人にする国でもありました。
最後はペロの家族も仲間入りしてハッピーエンドなのですが、正直言うと少し物足りさも感じました。
話が丁寧にまとまりすぎて、上品すぎる。
文章も事細かな語り口でここまで説明口調にならない方が、読んだり聞いたりする側がイメージを広げられるような気がしました。
ついでながら、読み聞かせをするためには、本はもう少し大きい方がベターかも。
次の作品を楽しみにしています。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子13歳)
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