日の光にふれることができない不治の病の少年のために絵を描くことになった画家は、部屋の壁いっぱいに描きはじめた。生と死を静かにみつめる、心に残る物語。
太陽の陽射しも大地の風も感じる事のできない難病を抱え、
幾重ものガーゼで閉ざされた3つの部屋だけで生きなければならない、
11歳の少年、マドゥレール。
国で一番と評判の絵描きサクマットと少年は友情を育みながら、
その部屋の壁に二人の物語を描いていく。
小さな部屋の小さな少年が思い描く世界はその部屋の空気のように純粋無垢。
しかし、どの世界よりも広く、太陽の光よりも輝きを持っていた。
壁の絵が美しい四季を巡って冬を迎える時、少年の人生も・・・。
こんなにも美しい世界を感じられる本に、出会えた事に感謝したくなる、珠玉の一冊。 (ちゅら。さん 40代・ママ 男の子13歳)
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