ロンドンに住む5人きょうだいは、空飛ぶじゅうたんと不死鳥とを手に入れ、つぎつぎと願いをかなえてもらうのですが……。日常生活の中にふとまぎれこんだ不思議と冒険を描いた傑作。
図書館で、うちの子どもたちに何かいい本はないかと、本棚を散策していて、フッとこの本のタイトルが目に入ってきました!!
なんて魅力的なタイトルでしょう。
ドキドキしながら借りてきました。(子どもたちはまだ読んでません)
読んでから気付いたのですが、なんとこのお話はある別のお話の続編でした。
前編のタイトルは「砂の妖精」。
SF小説みたいなタイトルですが、れっきとした王道のファンタジーで、ネットで検索してみたらこの「砂の妖精」の方がファンが多いらしく、たくさんの方の感想が載ってました。
どちらの本も、主人公はロンドンに住む4人のきょうだいです。
この子たちは、子どもらしいやんちゃっ子たちですが、好奇心旺盛で「誰かのためになりたい」という正義感の強いところも兼ね備えていました。
面白いのは「火の鳥」の描写で、日本人なら有名な手塚治虫の「火の鳥」的なものを想像しがちですが、
ここに登場する「火の鳥」はじゅうたんの中からこぼれおちてきた《真っ黄色でぴかぴか光り、半透明》な卵から生まれたチャボくらいの大きさの金の羽をしていました。
はっきり書いてありませんが、くちばしはチャボというよりオウムっぽいようです。(登場人物たちがよくオウムと間違えるので)
後書きを読むと本書は1904年に書かれていて、日本で邦訳されたのは1983年が初版でした。
かなり古い本なのに、感じるのは物語の舞台の時代的背景だけで、作品そのものはアクティブで、ちっとも時代を感じさせませんでした。
さすがネズビット!!
といっても、彼女の作品は「よい子同盟」しか読んだことはないのですが…。(「よい子同盟」は私より上の子がハマりました)
本を読むことに慣れていない子には少々長い物語ですが、1つ1つ起きる事件や冒険が読み手を十分に楽しませてくれます。
何より面白かったのが「火の鳥」の性格で、
どこか斜に構えていて、子どもたちと慣れ合わないクセに、子どもたちが助けを求めると「助けてやらんでもない」みたいな態度で、必ずしっかり助けてくれるところ。
小学校高学年から中学生くらいのお子さんにお薦めです。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子15歳、女の子11歳)
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