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一人前の騎士となったティウリは、盾持ちピアックとともにふたたび冒険の旅へ。みどりの男たちがひそむ森では、エヴィラン国によって新たな陰謀が企まれていた……。『王への手紙』の、息づまる続編。
たいてい前作が面白いと続編が前作を超えることはないのですが、このシリーズは引けを取らない面白さがあります。
この物語には地図がとても重要になります。
主人公ティウリやピアックは、未開の森のなかで身をひそめ逃げたり、隠れたりするので、この人たちは今どこにいるのだろう。どっちへ向いて移動しているんだと、確認せずにはいられなくなります。
むこうに山や高い塔がみえるとか、この川を渡らなければ北へ向かえないとか、小さな目印だけで自分のゆくべき方向を探り、森の秘密の真実を伝えるため、助けを呼びに行かなくてはならなくなったティウリやピアックとともに、読み手の私たちも、ひっそりとした森のなかに身をひそめ、固い土の上で寝ているような感覚や冷たい川の中を移動する気持ち悪さなど一緒に味わうことのできる凄い作品でした。
前作「王への手紙」ではウナーヴェン国王へ手紙を届けることのみを語ってくれた物語でしたが、本作では“何かあやしい動きがあるらしい”としかわかっていなかった森の秘密がティウリにかかわりを持ってきます。
国とは、自然とは、家族の在り方なども考えさせられます。
大きな物語でいて、身近なものでもあります。
ぜひたくさんの子どもたちに手にしてもらいたい作品です。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子23歳、女の子19歳)
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