「二十億光年の孤独」でデビュー以来、半世紀にわたって書きつづけた千五百編の全作品のなかから、 あらたに49編を選んだ、二冊目の谷川俊太郎詞華集です。一冊目は「はるかな国からやってきた」です。
「はるかな国からやってきた」の表紙は銀色の宇宙空間に浮かぶアンドロメダ星雲でした。 「すてきなひとりぼっち」はデザインは変えずに、宇宙空間の色をブルー(空の色)に変えました。 二冊並べることで、谷川俊太郎さんの全存在を感じさせる「絵」になるように、との編集意図がありました。
広告の帯に「まなび」という詩がのっています。
本を たくさん 頭の中に あるばむを 一冊 胸の中に そして 出来るなら 天国を 心に深く わたしはもちたい くるかもしれぬ 独りの時のために
この詩は「十八歳」という初期詩集の作品です。 谷川少年はこの時すでに人間が「すてきなひとりぼっち」の存在であることを知覚していたのです。
自分をいろんな角度から掘り下げてみる。
自分をいろいろに演出してみる。
そうすると人との接点や、新たな人間関係の可能性やらが見えてくる。
谷川さんの数多くの詩は、それだからこその共感を産むのではないだろうか。
多くの詩集からピックアップした詩で、再構成されたこの本は、「ひとりぼっち」のキーワードで、人の心をくすぐるようなちゃめっけのある演出を試みている。
読んでいて、いろんな自分探しを楽しんでいると、とても心地よい世界に包まれる。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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