●世界一かなしいお話を、絵本にしてみたかった――― よしもとばななさんの装画で広く知られる原マスミさん。2003年に雑誌「イラストレーション」(玄光社)で、 当時目黒美術館で開催されていた個展「原マスミ大全集!」の特集が掲載されました。その際、インタビューで、 「今後積極的にやりたいのは、絵本かな」(中略)自分のテキストじゃなくて、古典のお話に絵をつけてみたいですね」と 語っていた原マスミさん。長い時間かけて、不朽の名作が壮大によみがえります。
●原マスミの描く、絵本『幸福の王子』の誕生 色彩の鮮やかさと、暗く深い色みの対比は、原マスミならでは。悲しくやさしい物語を一層もりあげます。 悲しみに暮れる王子や、王子に寄り添うツバメの表情に注目です。また本作品は、原マスミが絵だけでなく抄訳も担当。 一言一句こだわった力強いことばで、オスカー・ワイルドのメッセージを伝えます。
●『幸福の王子』あらすじ 町の中に立つ、黄金にかがやく少年の銅像。目には青いサファイヤ、件の柄には赤いルビーが埋め込まれています。 あるとき南へ向かう途中のツバメが、王子の足元に降り立ちました。 王子は涙をこぼしながら、ツバメに貧しい人々に自分の身体の宝石を届けるように頼みます。 宝石がなくなると、今度は身体を覆う金箔を分け与えるのです。 やがて、冬がおとずれて、最初の雪が降るころ、南の国へ行かず、王子のそばにいつづけたツバメは命の終わりを迎え…。
あまりにも有名な『幸福の王子』。
みすぼらしい姿で、足元にはツバメの亡骸、どんよりとした空から舞い降りる雪・・・。
私の記憶は、そこで終わっています。あまりにも切ない・・・。
でも、この本は違いました!
その続きがあって、ツバメとともに神様のところに連れて行ってもらい、いつまでも幸せに暮らします。
自らを犠牲にし、人々を幸福にした王子とツバメの幸せそうな姿!
ホッとするとともに納得の結末。
王子が人間だった頃のエピソードなどもあり、貧しい人を救いたいと思った王子の気持ちなどが、丁寧に描かれています。
ちいさな子にも、わかり易い『幸福の王子』です!! (しゅうくりぃむさん 40代・ママ 女の子6歳)
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