繊細な筆遣いで、格調高く描き、世界中にファンをもつリスベート・ツヴェルガー。 今回は、『ハーメルンの笛吹き男』で、グリムの世界を描きます。 町中にねずみの大群が押し寄せたハーメルンの町。 ねずみ取り男が現われ、たんまり礼をくれるならねずみを追い出すといいます。 町の人達は、望みの礼を約束し、男は、笛を吹き、ねずみを川でおぼれさせました。 ところが、ねずみがいなくなると、町の人達はなにかと言い訳をして、礼をしませんでした。 町を出て行ったねずみ取り男は、あるときふと、町に舞い戻ってきました。 目は怒りにぎらぎら光り、心は復讐に燃えて……。 今なお謎につつまれる伝説を、ツヴェルガーの魅惑的な絵でご堪能ください。
ツヴェルガーが描く「ハーメルンの笛吹き男」の世界ということで怖いもの見たさ的な興味がありました。
男の顔が見られるのは最初のみ。後は目深に被った赤い帽子で顔は隠されています。
顔が出ないという不気味さと男の怒りが伝わって来ます。
ツヴェルガーだけに静かで淡々としてまた美しく多くを語らない絵ですが、それだけに怖さも一入という感じがしました。
お話としては有名だと思いますが、このお話の真相はよくわからず今でも諸説あるようです。
検索したら、ツヴェルガー以外にもデュポアザンやエロール・ル・カインなども絵本を出しているようで画家の想像力をかき立てる題材なのかもしれないと思いました。
読み比べてみたいものだと思います。
読後はひんやりとした怖さがありました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子8歳)
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