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ちょっとした家出のつもりが,船で大海原へくり出すことに…。重大な秘密のかくされたその船でくり広げられる少年の決死の冒険。
【内容】
夏休みが始まったばかりなのに、自宅のテレビを壊してしまったカズヤ。家族に叱られるのが嫌で、家出をすることにした。丁度、友達のマコトがスケッチをしに誘ってきた。マコトに連れていかれたのは、立ち入り禁止の港。こっそり忍び込んで絵を描いていると、見知らぬ男が近づいてきて…
小学校4年生の男子二人が繰り広げる昭和レトロな冒険劇。逃亡の果てには、国際的な詐欺事件が待っていた。
装画:木内達郎 (理論社:中山恒よみもの文庫 2)
底本:1976年 文研出版
【感想】
自分が小学生のころ、流行った児童文学。その時は、タイトルが怖いので遠慮してしまった。四十を目前にして、ようやく勇気を出して読んでみた。物語が書かれた70年代ごろ(もっと前?60年代かもしれない)の設定なので、小道具が昭和レトロ感満載だが、そんなことは全く気にならず、一気に読み切ってしまった。
とにかく物語の展開が早い!あっという間にいろんな事件が起きる。無駄な部分をそぎ落とした簡潔でわかりやすい文章で、情景も人物の心理も、性格も、なんでも全部想像できてしまう。読みやすく、わかりやすく、面白く、ハラハラドキドキさせてくれる、すごい冒険物語。ちょっと昔の日本を舞台にしているので、現役の「お子さん」はややわかりにくいかもしれないが、読み始めてしまうと、面白いのではまってしまう。
「昔はテレビはブラウン管といってねぇ…」と当時を知っている大人は、お孫さん?あたりに懐かしい思いいっぱいで説明してあげる楽しみもアリかも。
ブラウン管を見たことがない若いパパ&ママは、まずはネットあたりで調べてもらうといいかも。もう小学生くらいなら、自分で調べられるかな。便利な時代になりましたなあ…(感慨深い)。だから、私もどんどんババアになりますねぇ…(遠い目) (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
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