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2010年刊行。9人の大人が語る学校がらみの怪談、掌編集。
小学校や自宅、遊びに行った先など、いろんな場所で起きる様々な怖い話がたくさん詰まっている。
どの話も1話だけで完結。しかし、断片的な出来事が語られるだけで、その後どうなったのかわからない話も多い。誰かから聞いた本当に体験した怪談話は、こういうふうに原因も結末もわからず、その後ン展開もどうなったかわからないものが多い。
怪談で有名な稲川淳二氏は、「怪談のかけらのようなもの」を取材して、いろいろつなぎ合わせたり、話の途中を埋め合わせたりして怪談話を作る、と、どこかの本か何かで知った。
それ以来、断片的な怪談(話が突然終わる、起承転結がない、登場人物と怪異の因果関係がわからない、など)を聞くと、妙にリアルに感じてしまう。
この話は複数の作家が、いろいろな話を少しずつ語っている。
短い話なので、どこから読んでもいいし、本を1冊読了しなくてもいい。ただ、その先がどうなったかわからない話が多いので、本を閉じた後に妙な恐ろしさが残る。話が完結していないと、話の続きが自分の現実生活の中で起きるのではないかと思ってしまう。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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