
家族の誕生と老いをみつめる十二歳の少女のみずみずしい日々を、リズミカルな散文詩形式でえがく、あたたかな感動作。

詩で構成された珍しい作品です。
同じ年齢の子どもが主人公かどうかはわかりませんが『雲じゃらしの時間』も詩が出てきたと記憶しています。
12歳のアニーは、走ることと絵を描くのが好きな少女です。
お母さんが妊娠して赤ちゃんが生まれることになり、おじいちゃんは年をとり物忘れがひどくなっていきます。
このハートビートというタイトルがとてもうまくつけられていることを感じました。
赤ちゃんの心音は速いでしょうし、残りの人生が限られているおじいちゃんの心音とはまた違います。
アニーは走りながらいろいろなことを思います。
「才能をむだにしたくない」「まちがったことはしたくない」など。
読書をする時でもスポーツをしている時でも無になる瞬間もあり、また自分の内面と深くつきあう時もあります。
詩なので、早くは読めますが、さらさらと読めるかと言うと、また繰り返しそのフレーズを思い出したくてまた開くというタイプの作品でした。
シャロン・クリーチの作品が他にも読みたくなり、新しい作品も借りてきました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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