クリストファーくんが暮らすモルモットが丘には、毎日クシャクシャムシャムシャと幸せな音が響いていました。みんなが、大好物のタンポポの葉をかじる音です。ところが、いつからかタンポポの葉が足りなくなってきました。そしてある日、とうとう1本もなくなってしまいました! でもクリストファーくんはひっそりと生き残っているたった1本のタンポポを見つけました。これが世界中で最後のタンポポかもしれない! そう考えたクリストファーくんは、まず…… シャーロット・ミドルトンのチャーミングなコラージュイラストで綴られた、アーサー・ビナードの機智に富んだ訳が楽しい絵本です。
2009年のイギリスの作品。
アメリカ生まれの日本を代表する詩人という触書のアーサー・ビートが、とても気になりました。
彼は、卒論の執筆時に日本語に興味を持ち、1990年6月に単身来日。
来日後、通っていた日本語学校の教材の小熊秀雄の童話『焼かれた魚』を英訳した事をきっかけに、日本語での詩作、翻訳を始めたそうです。
現在は活動の幅をエッセイ、絵本、ラジオパーソナリティなどに広げており、全国各地で講演活動等も行っています。
いわむらかずおさんの「14ひき」シリーズの英訳もされており、日本の作品が英訳されて紹介されることは、非常に好ましいことだと思います。
主人公は、モルモットのクリストファー。
タンポポの葉が大好きです。
最初は、モルモット達が楽しくタンポポの葉を食しているシーンで始まります。
しかし、モルモットヶ丘のタンポポが、モルモット達に食べ尽くされてしまったから、さぁ大変。
ネットでも購入できるのですが、高騰しているなんて、今時の話っぽい展開です。
クリストファーが、最後のタンポポを発見し、この食糧危機を乗り切るべく奮闘するのですが、今日的なテーマに取り組んでいると言えそうです。
コラージュを使った絵は、新鮮な感じ。
冒険と言った方が相応しいかも知れません。
ストーリーは、文字数は多いものの、分かり易く食育にも役立つ作品だと思います。
(ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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