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![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
2002年秋、イラクで出会った白血病の少年・ムスタファ。湾岸戦争後、イラクではガンや白血病の子どもがふえつづけていた。エデンの園があったという砂漠の村にも、大量の劣化ウラン弾が使用されたのだ。そして、2003年のイラク戦争――。穏やかな暮らしを望む人々を苦しめる戦争と核の脅威を写真と文で伝える。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
地雷除去活動があるのは知っていました。
この本を読むまでそれが劣化ウランで作られていることは知りませんでした。
「劣化ウランは原子力発電用の燃料や核兵器を作る時に出てくる放射性廃棄物(核のゴミ)」です。
イラクの子どもたちに湾岸戦争後に白血病が増えているのは、この劣化ウラン弾のせいではないかと言われているのだそうです。
核の平和利用として始まった原子力発電、でもその発電で使われた放射性廃棄物が武器として使われていたということは知りませんでした。
この本を見つけたのは、放射能関連の本を探していた検索過程です。
福島の原発事故で今後日本の子どもたちに甲状腺がんや白血病などが出てくるのではないかと危惧する中この本にも目にしたのですが、
戦争の傷跡というのは終わっても尚心にも体にも残るものであることを痛切に感じました。
子どもたちがカメラに向ける目はあどけなく無邪気であり、不幸な状況であることを忘れてしまいそうになります。
表題になっているムスタファは9歳の少年で白血病の治療をしています。
9歳といえば私の息子と同じ年です。そのような年齢の子どもたちが白血病で苦しんでいることに憤りを感じました。
今回の福島の事故以来いろいろと考えました。
人類は原子力に手を出すべきではなかったのではと。人たび暴走すれば人の手に負えず、人々を被爆に追い込む放射能の恐ろしさ。
唯一の被爆国であった日本は、その恐ろしさを本当に考え続けるべきだったと思います。
子どもたちがこのような悲劇に襲われないように、核廃絶を強く望みます。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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