戦国時代の末期、山陰・山陽の十一カ国を支配した出雲の戦国大名・尼子氏は、新興勢力・毛利元就の謀略に乗せられて、身内の「新宮党」を全滅させてしまう。山中鹿之介の幼なじみも全員が眼前で殺害された。「なぜだ!」無念の思いを胸に秘めて、なお、人間への信頼をつらぬき、戦いつづけた男の青春をダイナミックに描く。
先に書いてしまいますが、この作品は後藤竜二先生の遺作です。
元々は「尼子十勇士伝<上巻>」として発表するつもりだったそうですが、お亡くなりになり、ご遺族のかたの了承を得てあえてこの「上巻」のみを出版することになったそうです。
学生の頃にハマった「カラマーゾフの兄弟(ドフトエフスキー)」を読んだ時もそう思いましたが、
舞台設定がわかり人間関係が見えてきて、これからどうなる!?というところで終わっているので、
正直読み手としてはつらいです。
物語は戦国時代。出雲の国(今の中国地方辺り)のお話です。
尼子氏に使える武家に生まれた《鹿》と呼ばれる少年が主人公です。この上巻では少年期であるにもかかわらず、自分たちの殿を守って、大変な戦いを潜り抜けました。
これから《鹿》はどう生き抜いていくのか気になりますが、それはもう読んだ各自が想像するしかなくて、残念です。
正直、後藤竜二さんのお話で時代物を読んだのは初めてでしたが、面白かったです。戦国時代に興味のある子どもたちにぜひ、お薦めしたいです。
他の作品に比べてやや難しい言葉づかいも出てきますが、児童文学の巨匠”後藤竜二”さんの作品なので、時代背景さえ飲み込めば、とても読みやすいです。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子11歳)
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