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伝記絵本を調べている時に出会ったシリーズです。
コロンブスの伝記はよく見かけるのですが、コロンブスに影響を与えたマルコ・ポーロについては『東方見聞録』ぐらいしか知識になく、フビライ・ハンに17年間も仕えたことは知りませんでした。
マルコ・ポーロの時代に東洋の香辛料はとても魅力的なものであったこと、また中国で生まれた発明の数々が、西洋にも影響を与えたこと。
コロンブス同様に、マルコ・ポーロも海路で渡ったような気がしていたのですが、考えてみればイタリアから中国へ向けては大陸でつながっているので、陸路も可能。
可能と言っても交通手段が整備されていない時代には途方もない時間がかかったはずです。
そしてマルコ・ポーロが中国で出会ったものを書き残しても、最初は絵空事のように思われたとしても実際に行ったことのない人たちから見れば、想像もつかない世界だったのだろうと思いました。
人々の旺盛な知識欲や探究心の先に、今の私たちがいて、その間に流れた時間と歴史に、思いをはせることができる絵本です。
伝記絵本の中には人物をデフォルメして描くものもあれば、この絵本のように細かく丁寧に当時の事物を描くものもあり、ところどころ図鑑的であり、また俯瞰した絵もありで、絵だけを見ていても楽しめます。
また、見返しにはマルコが旅したルートも載っているので、地図上で確認することもできます。
マルコ・ポーロと言ったらまず入門書的にこの本をお薦めしたいです。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子12歳)
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