先祖代々、裏山の稲荷山神社の巫女をつとめるマモルの家に、ある日、奇妙な下宿人がやってきた。腰までとどく長髪に、和服の着流し、アブラゲが大好きな美青年・守山さんのふしぎな魅力に、マモルはしだいにひかれていく。そして、レジャーランド開発のために破壊されようとしている山と古墳を守ろうと立ちあがった守山さんと、マモルは行動をともにするようになる。海に山に森に、太古から宿り、人間たちを見守ってきた“存在”との運命的な出会い、そして、明らかになった守山さんのおどろくべき正体とは?いま、自然を守ることのたいせつさを熱く問いかける、秀作ファンタジー!
表紙が今風ではないので、なかなか手に取ってもらえないのですが、内容は現代の和ファンタジー流行にガッツリ合っていると思います。
そんなことを抜きにしても、日本の神さまだとか振り返ればファンタジーという話がお好きならぜひ。
リゾート開発を子供が止めるなんて安易な・・・と思うのは安易。
苦労して苦労して、ストライキまでして、なんとか古墳を発掘し文化物発見にこぎつけます。
信じる心さえあれば、いつも神様が一緒に力をふるってくれる。勇気をくすぐる展開が素敵。
大人にも日本古来の自然美を思い出させてくれる一作です。
現代の日本人が忘れてしまった自然への敬意。信仰とか特別な感情ではなくて もっと日常的に、自然によって生かされていると感謝するだけでいいのですね。
まったく説教くさくないよ。ぜひ親子で読んで欲しい。 (てぃんくてぃんくさん 40代・せんせい 女の子12歳)
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