東山魁夷の名画「白い馬」誕生をめぐるファンタジーが絵本に! 主人公の少年は、池のほとりであったふしぎな白い馬に導かれるままに、空に舞い上がり、 アルプスやドナウ川を望み、オーストリアの美しい湖水地方や街を旅します。 そして、ザルツブルグにたどりついたとき、白い馬は、「わたしはこの街で生まれた」と告げます。主人公を芸術の道に導く白い馬とは……。すべて東山魁夷の絵で構成されます。
●作者からのメッセージ ・文/松本猛さんからのメッセージ 東山魁夷は心の底からモーツァルトの音楽を愛していた。 ドイツ・オーストリアへの4ヶ月に及ぶ旅はモーツァルトへの旅でもあった。 白い馬を描いた名作「緑響く」はモーツァルトへの魁夷のオマージュである。 私はこの絵本に掲載した作品の中に音楽性と魁夷のモーツアルトへの思いの深さを見た。 その時、ひとつの幻想的な物語が私の中に芽生えた。 ちょうど、魁夷がモーツアルトのピアノ曲から白い馬の画想を得たように。
日本画家である東山魁夷さんの作品を、いわさきちひろさんの息子である松本猛さんが物語風に構成、
文章を添えた作品。
あとがきにもありますが、東山魁夷さんの作品には、モーツァルトの影響があるとのこと。
ドイツやオーストリアの風景の絵が、ストンとストーリーに溶け込みます。
東山魁夷館の館長もされて、研究書もある松本猛さんだからこそ、
紡ぎだされるストーリーが素敵なハーモニーでした。
「ぼく」という主人公が、幻想的な森で出会った白い馬に導かれ、ヨーロッパの風景の中を旅し、
自分探しをするのです。
絵本ですが、大人向けの重厚な作品です。
東山魁夷ファンとしては、作品の一解釈として、興味深かったです。 (レイラさん 40代・ママ 男の子20歳、男の子17歳)
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