最初のページで、ピーターラビットがお母さんに頼まれて、村のお店に手紙を届けに行きます。 次のページは「ソーリーむら ジンジャーとピクルズや さんへ」と書かれた手紙の封筒になっています。 封筒の中身は・・・ピーターのお母さんが後払いでお買い物をした、そのお代のお金と店への手紙が入っています。 ピーターがジンジャーとピクルズの店に手紙を届けると、とても喜ばれ、帰りに請求書の入った手紙をティギーおばさんに届けるように頼まれます。 その手紙の封筒の中身は・・・。こんなふうに、ピーターは次から次へと手紙を預かって届けていきます。ページは大きな封筒のしかけになっていて、中に入っている手紙などを読むことができます。 そのうちにピーターは、間違えてある手紙を開けてしまい、あわてて手紙を封筒の中に戻そうとしますが・・・ん?なにか変だぞ、と気づいて手紙を読んでみると・・・そこには、アヒルのジマイマをだまして丸焼きにして食べちゃう、恐ろしい計画が書かれていたのです! さあ大変、どうするピーター!? 誰かが誰かにあてた手紙を、物語の外にいる読者がこっそり読むことができる。これってちょっとした罪悪感があって、何だか不思議な楽しさです。そして当たり障りのない手紙をいくつか読んでいくうちに、読んではいけない内容を知ってしまう、という、とてもよくできたお話しなのです。封筒や手紙はなかなかの趣向が凝らしてあり、お札だったり、新聞の切り抜きだったり、商品カタログだったり、工夫されたアイテムが一緒に入っていて楽しめます。3歳くらいから6歳くらいまでの子が、この手紙しかけ絵本のドキドキ感を味わうのにぴったりではないでしょうか。子どもたちの反応を見るのも、大人の楽しみですね。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
ピーターが、まちがえてあけてしまったてがみには、おそろしいけいかくが! どうしましょう?!ほんもののてがみをあけてたのしむしかけえほんです。
|