少年テオの最初の家出の原因は両親の不和でした、酒飲みの父親と、母親の絶えぬ夫婦げんか。
自分が家出すれば夫婦仲は修復されるのではないか。
そんなストーリーを心に描いて家を飛び出した、最初の家出は冒険のような家出でした。
いろいろな人に出会い、巡り合った移動メリーゴーランドを経営する理解者のパパフンフンに諭され家に帰って見れば、夫婦は離婚していました。
二度目の家出は、知り合ったパパフンフンを訪ねての意図した家出。
今度は事件に巻き込まれて警察に補導されてしまいます。
夢想家のテオの悪意のない家出は、知り合った人や、巻き込まれた事件に翻弄されて、次にことを起こしたら施設に入れられるというところまでに発展していきます。
現実を受け入れるしかない自分と、自分の優しさとは全く別のところでテオを苦しめる社会。
非常にドライタッチの物語ですが、家族を考える上で様々なことを提示してくれました。
ヘルトリングが描く人間模様は、とても鋭い社会考察です。 (ヒラP21さん 50代・パパ )
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