「さくら、すぐに戻ってくるからね」 1週間たち、10日たち、つながれたくさりを切ったその日から、しば犬・さくらの苦難の日々が始まった。 原発被災地にとりのこされた犬たちのいま――。
福島原発の避難地域に住むひとみちゃん一家。2、3日で家に戻れるつもりで始まった避難生活は長期におよび、取りのこされた愛犬さくらの過酷な日々が始まる。実際に動物救護活動を行う獣医師の体験を元に作った物語。
東日本大震災と福島原子力発電所爆発事故を思い出される、つらいお話です。
震災後間もない時に書かれたので、この本からその後については触れられていません。
フィクションとはいえ、希望的予測でまとめることはためらわれたのでしょう。
被曝地に残されたペットは、家族でありながら、人間とは区別されたのです。
緊迫した状況ではやむを得ないことではありました。
残された犬はどのように生きたかを想像すると切なくなります。
ほっとできる後日談があるのでしょうか。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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