自分が小学生だったら、こんな絵本に出会いたかった!
ショートカットが似合っている女の子の名前はサラ。 一人っ子のサラのおともだちは、物置の奥にねむっていたホーキのララ。 サラは絵本の中の魔法使いみたいに、自分もホーキで空を飛びたくなります。 「飛ぶならお飛び、飛ばなくてもお飛び」 ララは飛ぶどころか動きもしません。 「飛びたくないなら飛ばないで」「飛びたくなったら…飛びなさい」 「飛びたくなったら飛んでみて」 ララは少しだけふわりと浮かびました!! でも、どの言葉が正解なんだっけ?
なんだか不思議、でもとても現実的でもあるような。 ララはとても個性的な魔法のホーキのようです。 サラは自由に空を飛べるようになるのでしょうか。
物語は、ララのさり気ない後押しとともに思わぬ展開へと進んでいきます。 「鼻を行きたい方に向ければいいのよ」「いいえ、行くのよ」「あなたはもう大きいの」 印象的な言葉を口にするララ。青く澄んだ、広くて大きな空に向かって飛び出していくサラ。 この場面、読む人はどのように捉えるのでしょう。 「気持ちいい!」「ちょっと怖い」「さびしい?」「わたしも…」 どの感想も受け入れてくれるほど、美しい風景がいつまでも心に残ります。
沢木耕太郎さんの惹きこまれる文章と、とても清々しくて可愛らしい絵。 新しいヒロインの登場にドキドキしてしまいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
サラのおともだちはホーキのララ。 「飛ぶならお飛び、飛ばなくてもお飛び。」 サラはララにまたがって、どうしても空を飛びたいと思いました。そして・・・・・・?
一人っ子の女の子サラは、ある日、物置で竹のホーキを見つけ、
ララと名付けるのです。
絵本に出てきた魔法使いの女の子を真似して、
サラは、ホーキに魔法をかけようとするのです。
でもなかなかうまくいかない奮闘記です。
ララと名付けるだけあって、ホーキはお友だちのようでもあります。
やがて、ホーキのララと心を通わせることができるようになったサラは、
ララと空を飛ぶことができるようになります。
魔法を信じない両親の姿も盛り込まれます。
後半は、親からの自立がテーマでしょうか。
不思議な余韻が残ります。
「いいえ、あなたはもう大きいの。」
やはり思春期以降でないと、このセリフの重みは理解しにくいと思います。 (レイラさん 40代・ママ 男の子19歳、男の子17歳)
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