マメジカの足は鉛筆のように細く、体重はわずか2キロあまり。知恵と勇気で大きなワニやトラをやりこめるお話が3つと、もっと小さいカタツムリにしてやられる話が1つ。
インドネシアの昔話。まめじかカンチルが主人公の 短いお話が4つ、入っています。
カンチルは、元気でピチピチしていて、賢くて勇気があります。でも、ちょっぴりなまいき。ワニやトラをやり込める知恵がある一方、かたつむりにしてやられる愛嬌もあります。
子どもたちは、そんなカンチルに憧れと親しみを感じるでしょう。お話に、グイッと引き込まれ、楽しむことと思います。
安井寿磨子さんの絵が好きなので、手にとりました。銅版画の繊細な線や、柔らかな色使いが、子どもの本には、上品すぎるのでは?という心配は杞憂でした。とっても良かったです。ワニやトラは迫力があり、カンチルの若さ、賢さ、愛嬌のあるところも伝えてくれます。そして、おはなしのイメージをじゃまされません。
絵本からおはなしの本へ移行する時期の子どもたちに、ぜひおすすめしたいステキな本です。 (なみ@えほんさん 50代・ママ )
|