ブリは、猫(マオ)の森のはずれに住む、ただひとりのネコ。 森の生まれではないため「よそもの」として気ままに暮らしていたブリが、マオの森の百年に一度の満月祭りのために大役を担うこととなった。長老のボージョが、これをきっかけにブリを森の仲間として迎えたいと思ったのです。 こうしてブリは、「秘密のつり場所を教えてくれる」という約束につられて、いざ虹のほのおを探す旅へと出発したのでした。
絵本の魅力の中には、とても身近な世界が描かれていて共感できるものと、思いっきり異世界の空間を味わえるものとがあると思います。 この『ブリと虹のほのお』はもちろん後者。どこの国なのか、いつの時代なのかはわからないけど、確かに舞台となるマオの森は絵本の中に存在していて、主人公のブリは(少しイヤイヤながらも)大冒険をしているのです。バルーンに乗って、美しい山々や湖を越え、個性的な森の住人たちの所を訪れ・・・。知らない世界でありながら、臨場感たっぷりにこの冒険を味わうことができます。その理由の一つとしては、圧倒的な画力によって描かれた印象的な場面の数々にあるのではないでしょうか。山々のはるか上空を飛行する浮遊感、幻想的な色に変化する雲、険しく暗い山の間から迫ってくる実体のはっきりしない闇魔、そして闇の中から輝きだす虹のほのおの光。小さな子どもたちが、絵本の中の世界に圧倒されている姿が目に浮かびます。 更に、可愛いだけではない、ユニークなブリのキャラクターの何ともいえない魅力にも惹きこまれてしまいます。
絵本の中でも、ちょっぴり異彩を放っているこの作品。 作者の阿部行夫さんは現役のアニメーション美術監督として活躍されている方です。この大胆な場面展開や凝った舞台演出にも「なるほど」と納得してしまいますよね。 一読者の感想としては、こんな個性は大歓迎! どんどん色々な世界に連れていってくれる事を期待してしまいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
マオの森で百年に一度行われる満月祭のために,虹の炎を探す子猫のブリ。虹の炎がないと世界が闇魔によって暗黒に塗り替えられると知ったブリは,自ら危険に飛びんでいくのだった……。
ちょっとひねくれている子猫のブリは、マオの森でただ一人のネコ。
そんなブリに、百年に一度の満月祭のために「虹のほのお」を探す役目がまわってきた。
最初は嫌々だったが、虹のほのおがないと世界が闇に覆われると知り、甘えん坊のキャロと「虹のほのお」を探しに出発した。
作者がアニメーションの美術監督ということもあって、このままアニメになってもおかしくないような作品。
内容は、ジブリのファンタジーを思わせるような作品なので、とっつきやすいです。
絵本というより童話に近いかもしれません。
不思議な色合いがとても綺麗です。
小学生の長女が手にとって見たときは、「ちょっと怖い」だそうです。
ブリが猫だからでしょうか。その目が怖かったようです。
読みすすむうちに、冒険ありだったので楽しかったようです。
話自体はありきたりなんだけれど、絵が素敵で、その世界に惹きこまれます。 (ひとときさん 30代・その他の方 女の子10歳、女の子3歳)
|