庶民を勇気づけた語りの文学 めでたし、めでたし。打出の小槌って何でもできちゃう。 辞書なしで、古典の名作がラクラク読める!
おとぎ話でおなじみの『おとぎ草子』。「山椒太夫」に代表される『説経集』。どちらもが中世に成立した、庶民のための“語りの文学”である。おとぎ話も説経も、あくまでもわかりやすく作られ、当時の世相をよく伝えている。そして、その底にひそむ寓意性は、現代にもなお通じるところが多い。空想や教訓、信仰心をふんだんに盛りこみ、同じ下層の語り手によって生き生きとした言葉で表現されてきた物語は、混沌の時代の庶民たちを楽しませ、勇気づけたのである。
名作古典文学を21世紀の少年少女たちに!読みやすいふりがな、カラーさし絵、本文中の豊富な用語解説で、日本の古典文学にはじめて出会う少年少女の理解を助ける古典文学全集の決定版です。
古文アレルギーだった私にとって、なんとも楽しい現代語訳です。
お伽草子と山椒太夫という、作品の違いもあるのでしょうが二人の作家の個性も感じた作品です。
清水義範さんは、パロディのようにお伽草子の話をかみ砕いて、おまけに尾ひれをつけて自在に操りました。
ねじめ正一さんは、原作の奥の奥までを情念的に語りました。
山椒太夫は、森鴎外によって、改作されてものが頭にあったので、基話の残酷さが強烈でした。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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