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襷を繋いで、力を振りしぼって、ゴールまであと少し。誰かのために走ることで、つかめるものがある…。寄せ集めのメンバーと頼りない先生のもとで、駅伝にのぞむ中学生たちの最後の夏を描く、清々しい青春小説。
運動部で中三の夏というと特別の意味を持つものではないでしょうか。
毎年、夏の大会で県大会に出場している駅伝部なのに、今年は顧問が異動し、新しい顧問は駅伝とは無縁の頼りない女性教師でした。
しかも、駅伝に出るメンバーは足りず、お先真っ暗というところからこのお話は始まります。
駅伝の走者の順に、それぞれの気もちが語られ、時にはぶつかりあい時には認め合いながら中学生たちは成長していきます。
タイトルの『あと少し、もう少し』というのが絶妙なタイトルであと少しがんばって走ればゴール、あと少し走れば次の走者にバトンが手を渡せる、あと少し走れば県大会に出場、それぞれの違った思いまたゴールに寄せる部員たちの共通な悲願が臨場感を持って迫って来ました。
また、自分が思っている自分と相手が見ている自分との相違、そんなことも話してみて気付くことができる。
夏休みに息子と一緒に読み、中学生になった息子はやはり県大会を目指してがんばっていた中三の先輩を重ねて読んでいたようでした。
部活をしている中学生はもちろんのこと、大人も楽しめる作品です。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子12歳)
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