どこからどう見ても普通のタコの男の子(!?)のたこきちくん。 すやすやお昼寝をしていると、「どた、どた、どた。」 突然「たすけてくだされー。たこきちどのー。」と助けをもとめてやって来たのは、なんとひげづら暴れん坊の弁慶! 何事?考える間もなく、弁慶はふるえながらしがみついてくるのです。 「おたすけくだされ。おっかけてくるのじゃ。」 何に追いかけられているというのでしょう。 すると更に、みと・こうもんがやってきて助けをもとめ、大きなクマまで助けをもとめてやってきます。 みんなふるえながら、たこきちくんにしがみつくのです。 「たすけてーちょー。」 いったいぜんたい、どうなってるの? あ、お姫様がやってきた時には、たこきちくんも悪い気はしていないみたいですけどね。 さて、とうとうやってきたのは、みんなが怖がっているあの・・・!?
最初から奇想天外な話で始まり、そのまま引き込まれていき、わけもわからず笑っていると、最後にはまたとんでもない展開が待っていて。 有無を言わさぬこの独特な間。 不思議な組み合わせの登場人物たち、そしてたこきちくんの存在感。 想像つくような、つかないような、でも何だかはっぴーな終わり方。 これはもう、名コンビ内田麟太郎さん&西村繁男さんだからこそ出来上がる空気感なのでしょうか。 嬉しくなっちゃうくらい、へんてこな絵本ですよ!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
たこきちくんがのんきに浜辺で昼寝をしていると、突然こわもての弁慶がやってきて「おれを助けろ!」と威張っている。たこきちくんが断ると、弁慶は泣きそうになって「助けてくだされ〜」とたこきちくんにすがりつく。それからつぎつぎと、黄門さん、大きな熊がやってきて、みんながたこきちくんに助けを求める。どうなっているの、ぼくにどうしろというの、戸惑うたこきちくん。そこへ、きれいなお姫様が「たこきち様、どうぞお助けください」とやってきた。がぜんやる気を出すたこきちくん。すると、山の向こうから「うおお〜ん」というもの凄い声が!「わ〜ギギラだ」みんなはぶるぶる震えだし、たこきちくんにしがみついた。そうしてみんな一斉に「たこたこあがれ〜てんまであがれ〜」と歌い出したのだ。すると・・・
お正月らしい絵本が読みたいと思っていた時に見つけた絵本です。内田麟太郎さんと西村繁男さんのコンビは、『がたごとがたごと』などたのしい絵本がたくさんあるので期待して読みました。
浜辺で昼寝をしていたたこきちくんのところに、弁慶や黄門さん、お姫さまたちが次々と「助けて!」とやってきます。みんな恐ろしいものから逃れてきたみたいだけど、なんでこの弱そうなたこきちくんに頼るのかしら?と不思議に思っていたら・・・そういうことか!
オチが分かってからもう一度見返して読むと、どのページにもちゃんとヒントが空に浮かんでいました。 (クッチーナママさん 30代・ママ 女の子10歳、女の子7歳、男の子5歳)
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