図書館で、たまたまひょんなことから手に取り、題名と表紙の絵にピピ!と来るものがあって、迷わず借りました。本当によくできたストーリーと、それにピッタリな挿絵の本だなと思います。漢字がひとつも使われていないところと、見開きのページに必ず挿絵があるところが、絵本を卒業して文字の多い本に挑戦したい子にとてもお勧めです。
やっぱりこの話の醍醐味は、ごきげんぶくろが天井からつるされているところかな。ストレスの多い日本社会ですから、大人から子供まで実際のところこの「ごきべんぶくろ」は必須かも。そしてちょっと意外だったのが、まじょがそのごきげんぶくろを使って、悪さをするのかと思っていたら、いやいや、単にいい人じゃん!!というところも却って話を難しくしていないところが素晴らしいです。
まじょの、
「おなかに ためておくと、ふきげんは いやな きもちに かわってしまう。
でも、この“ごきげんぶくろ”のなかに はきだせば すっきりする」
という言葉、大事なことを教えてくれていると思います。また個人的には、そのふくろの中身(人々の怒り)がパワーがあるという設定に、思わずうなずいてしまいます。私も怒れる民なので、これまでの人生で怒ることが前進するエネルギーになってきたと思うからです。
素敵な本です。是非、大人も子供も読んでみてください。