「おおかみ・ゴンノスケの腹ペコ日記6 すごいうさぎに気をつけろ」 みんなの声

自分の食糧が向こうからやってくる。
しかも押しかけ女房のようにしてやってくる。
おまけに、完全にうさぎ優位の主従関係。
このインパクトのあるシチュエーションには、面食らってしまいました。
そもそも、うさぎはどうして近づいてきたのでしょうか。
一種不条理劇のように思えるお話でした。
でも、これだけされて、家を出ていくオオカミのゴンノスケの心理はわかるような気がします。
生活の異常性にマインドコントロールされた悲喜劇でした。

このシリーズは本当にさまざまなタイプの女性（うさぎ）が出ますね！
そしてそのすべてに弱いおおかみゴンノスケ…。ゴンノスケが弱いわけではなく、女性が強すぎるのかも（笑）。
なんだかんだで人が良くおまぬけなところもゴンノスケの良さだと思うのですが。
今回はおふくろを思い出してしまうようなうさぎの登場です。
おふくろさんはそれは逆らえないでしょう！
ラストはうさぎのほうはけっこうあっさりしているのですね。これもまたおふくろっぽい！？

横柄で、一見ちっとも可愛くないうさぎがインパクトありました。

このシリーズは、通常の絵本より少々マンガチックな手法で書かれています。サイズもやや小さめです。
持ち歩くには軽くていいですが、大勢の前で読むのには、1ページ1ページがごちゃごちゃして細かいので、見ずらいと思いました。

全体的にはゴンスケくんとうさぎの友情物語かと、思っていましたが、ラストのページで、げんなりしてしまいました。
ゴンスケ薫の手紙を書き遺して家を出ていくシーンまでは納得できたのに、最後の最後でこんなうさぎの姿を描かなくてもいいと、思いました。作者・きむらさんの心情はいかに！？
みなさんも読んでみて、考えてみてください。