母親らしさがイメージできないママには、このハンドバックは母親らしさを演出するためのアイテムだったのかもしれないし、ムーミンママはムーミン谷ではステレオタイプの母親像に縛られていたのかもしれないのだけれど、ムーミンママにとってのハンドバックがどういう役割を担っていたのかはさておいて、ムーミンやミイにとって(ムーミンやミイに自分を重ねた読者にとって)、これほど安心感を与えるアイテムはないでしょう。「あいたじかんがたのしくなるもの」のハーモニカや、「こまったときにやくにたつもの」のやっとこ、キャンディーなど、こんなには入らないはずのたくさんの安心が入っているハンドバック、あまりにも予想に反しないので肩透かし感はありますが、ムーミン好きの子どもがいたらプレゼントしたくなる一冊です。ちなみに2歳の子どもは興味を示しませんでした。