ママがぼくに「あかちゃんが うまれるの」と耳打ちするところから始まり、赤ちゃんが生まれてぼくがおにいちゃんになるまでのお話です。
最初の子どもが、おにいちゃん、おねえちゃんになる本は、切なさとかいじらしさに溢れているものが多いのですが、この本は、とても明るくて前向き。
ぼくもママもあっけらかーんとしているように思えるほど爽やかです。
ママは必要以上にぼくに気を遣いませんし、ぼくも必要以上に赤ちゃんをライバル視したりしません。
もちろん、「ぼくより あかちゃんの方が かわいいのかなぁ」とすねてみたり、「赤ちゃんのものは17個も買って、ぼくにはミニカーたったの1個」なんて不満を持ったりするのですが、それでもそこにあるのは、カラッとした感じです。
ぼくがいろいろママの様子を観察し、その陰に赤ちゃんの存在を意識しながら、だんだんお兄ちゃんになっていく準備をしていく過程が上手に描かれています。
最後に赤ちゃんに出会ったときは、読者もぼくと一緒に「やった〜!」という気持ちになる爽やかな絵本です。