シリーズ3巻。「頭脳集団」登場。
ストーリーはマンネリ気味なれど、着実に進んでおり読める。
が、本筋と関係ないところであちこち引っかかる点があり、読後感が悪い。
特に大きいのは以下の2点。
1.「おごる」シーンの多用
主人公の1人・内人が、中学生にも関わらずやたらと人に物をおごる。
缶ジュース1本や、好きな女の子にいいところを見せようとハンバーガーをおごる、というのはまだ理解できる。
しかし、クラスメイト30人に差し入れとして、どんなに少なく見積もっても数千円分になるハンバーガーをおごる。
クラスメイトたちも当然のように受け取っており、ほとんどは礼も言わない、というのには嫌悪感を感じる。
中学生にとって数千円は大金ではないだろうか。
物語上で必要性があった訳でもなく、「クーポンでちょうど30人分もらえた」という流れでも構わなかったと思う。
2.学校でのゲーム
「どこの学校でもやっているゲーム」として、屋上から1階まで階段を使って一気にバスケットボールを転がす「3Dボーリング」が登場する。
登場人物はみなゲームを楽しそうに見守り、読んでいると是非やってみたくなる。
しかし、そのボールの勢いは強く、頭にあたった人が転倒するほどの威力である。
せめて、当たり前のゲームとはしない、危ないと怒られるシーンを入れるなどして欲しかった。
(併せて、雨どい伝いに校舎の壁を4階まで登るシーンも簡単・自分でもできそうに書かれており恐ろしい。)
どちらもストーリー上で重要な訳でなく、そんな部分で全体の面白さが下がってしまうのをもったいなく感じる。
子ども向けに出版するものなのだから、もう少し配慮が欲しい。
…と考えるのは、現実の子どもたちを見くびりすぎているのだろうか…。