原題はLittle By Little。
その邦訳が、「ぼく、およげないの」ですが、確かにこの方がスッキリする感じがしました。
「ある日、かわうそのロロくんは、
できることと できないことを
かみにかいてみました。
できることは たくさん あります。
たとえば・・・
でんぐりがえし。
うしろでんぐりがえし。
−省略−
だけど、できないことは たったひとつ。
それは・・・
およぐことでした。」
という書き出しで始まりますが、この設定が○ですよね。
およげないかわうそなんて、考えられないのですから。
それから、泳げぐための練習をおねえちゃんとするのですが、そこからの歩みがLittle By Littleなのです。
難しいことも少しづつやれば、必ず出来るようになるということを、優しく教えてくれています。
諦めの早い子供にとって、他の子と直ぐに出来ないのは辛いもの。
この作品のおかあさんは、「おともだちにやさしくできないのね」と、理解してあげているのですが、親にとっては耳の痛い話だと思いました。
登場する脇役の動物達、虫達の動きもユーモラスですし、まわりの景色もとても奇麗なので、絵だけを楽しめる絵本です。
脇役達は、何回も登場するので、読みかえす度に新しい発見があると思います。
「できないこと」があってなやんでいるすべての子どもたちに贈る、「英国生まれの優しくてかわいい絵本」という但し書に嘘偽りのない絵本としてオススメします。