感覚をくすぐるシリーズの“聴覚”の巻。家族で絵を見ていると“音”が自然に頭の中に拡がって来て、思い浮かんだまま声に出すと、始めはみんな同じ音を出していたものの、場面が町中に移ると、色んな雑音が混じってきて、好き勝手に「ガーガー」「ブーブー」「わいわい」いい始めます。にぎやかで、まるでその場所へ来たかのような錯覚になります。うちの家族は、もはや作者の術中にはまっているな、なんてうれしい高揚感を感じました。
息子は大好きなショベルカーをまねするから、僕は得意(のはず)の花火の音を披露します。すると嫁さんが息子に「何か違うよねぇ?」のリアクションにちょっとへこみましたが、裏表紙では、家族みんなが耳を塞いで「ワァァァァ」と歓喜混じりの悲鳴をあげるところまで、十二分に楽しめました。
このシリーズは文字がないですが、読み聞かせはどうしよう?なんて考える必要は全くないです。かえって文字のある本よりも声を出せて、にぎやかな雰囲気になるんじゃないでしょうか。
(我が家のような、寝る前の読み聞かせには向かない作品ですが)
息子もよく耳にする音ばかりですし、大人も懐かしいと思える音があったり、対象年齢は幅広いと思います。もし大判のものがあれば、きっと大勢での読み聞かせに向いていると思います。